小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

エモい?

2012.06.28 23:06

「エモい」って言葉知ってますか? 「キモい」じゃないですよ。
多分普通の人は知らないんだよね。
というよりも、僕もなんとなくわかるようだけれども、
使わないなぁって言ったんです。

今日もBank Bandのリハーサルだったのですが、
リハーサル終了後の雑談中、
ゲストボーカルが日々やってきている中で、
ベースの亀田君が、僕のピアノプレイを、
「『エモい』プレイでしたね」と言ってきて、
僕はなんとなくわかったのですが、
クエスチョンマークという人も多かったんですよ。
櫻井君とか、ギターの小倉君とかもそうでした。
小倉君は多少若ぶって、「あんまり使わない」って言っていたけれど、
本当言うと、一回も使ったことがないのが、すぐにバレていましたけど。

さて、皆さんわかりましたか?
「エモい」とは何か。
「エロい」とも違うのですが・・・

正解は、「エモーショナルっぽい!」ということです。

それだけのことです。

そんな感じでリハーサルは順調に進んでいますし、
楽しいんだけれども、いろいろと混迷していますよね。
昨日の電力会社の株主総会のニュースは、
なんだか居直っているとしか言いようが無いものでした。
結局原発を使わないと、経営ができなくなるという
電力会社の都合なんですよね。
電力会社が潰れたりしたら、困るのはわかるけれども、
命に関わることだし、
これからの世代、未来の人達の安全に関わることだから
さすがにこんなことでは駄目だな、という印象でした。

沖縄に「オスプレイ」というのも、酷い話です。
原発と同じ話だと、「モーニングバード」の
「そもそも総研」で言っていました。
辛辣な言い方で申し訳ないけれども、
経済の発展と安全保障の名の下に、
実験台にされてきたとしか言いようが無い。
官僚などによく言われる問題は、悪しきエリート意識なんですかね。
パーティーなんかで笑いながら、原発産業輸出のことや、
「オスプレイ」のことなんかを話してるような絵を妄想します。
そんなレベルで決めてくれるなよ、と。
もちろん人によるんだと思いますが。






着々と・・・

2012.06.19 22:17

ブログをするのが久しぶりになってしまいましたが
その間に大飯原発の再稼働も決まってしまいましたね。
それにしても、どこに足場を掛けて決断したのか、
結局わからないような再稼働の決定でありました。

野田首相が国民に対してコメントをし、
首相がコメントをしたということを受けて
福井県の知事が「いいのではないでしょうか」と言い、
大飯町の町長もそれを受けて「よいのではないか」と言い、
その二人が「いいのではないでしょうか」ということを受けて
首相および政府が「よいのではないでしょうか」という五月雨方式(?)。
テレビで誰かが言っていましたが、まさに砂山を作るような、
危うい再稼働に向けての進め方だったと思います。
これから様子をみて、声を出していかければならないんだと思っています。
人のせいにしていてもしょうがないですからね。

そんなこんなですが、ap bank fesへの準備が着々と進んでいます。
いまはリハーサル真っ最中であります。
それにしても、よく働く自分とap bankの相方です。

いろいろ大変なことがあるけれど、本当に希望を持って、
このフェスの、しかも通年のよりも長い旅のような
今年のフェスを楽しめたらなと思っています。
既に楽しんでいますけどね。

おっさん的に

2012.06.14 23:50

最近エネルギーの話が続きますが、
エネルギーのあり方に関して、
この間の野田首相が会見したことが全てだとは思わないけど、
それにしても、大飯原発だけでなく、
ほかの原発も再稼働することが、
さも当然のような言動が矢継ぎ早に起こっています。
何がそうさせているのか解らないけれど、
今までの脱原発や再稼働を懸念する声は、
なんとなく影を潜めているように思えます。

まぁでもね、これでは終わらないでしょう。
結局エネルギーシフトに関しては
10年、20年のスパンで考えていく話なんで、
まだまだ山あり谷ありなんだ、と覚悟ができてきました。

ただ、この夏の電力自給の直前に
うまいこと原発推進派が巻き返してくるものだなと
ちょっと引いた目でネットの報道などを見ています。

くれぐれも最初に僕が野田さんの会見の後に
無力感が蔓延しないことを願いつつ、
(正直言って、僕がまだそれに刹那的に襲われているのですが)
やれることをやっていきたいです。

ちなみに昨日、某大物男性ミュージシャンと会う機会があって、
震災以降のエネルギーシフトのことも話したんだけど、
男のというか、おっさんの果たす役割があるね、、、という話になりました。
とにかく、人のせいにしているのは格好悪いし、
宮台真司的に言うと、
「お任せしておいて、文句をたれる!」という日本人像から
変わらなければならないところに来ていると思います。
おっさん的に言わせてもらえば、
「ちゃんとしよう」、もしくは「ちゃんとしろ」です。



小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。