営み
2012.04.30 00:02
いまツアーをやっていて、音楽や歌の役割を考えてつくづく思うのは、
どんな主義主張や、偉い人や権力よりも、人々の営みを優先されるべきだ、
優先される社会や世界であるといいな、ということです。
そんな想いもあって福島にも行っています。
震災後、早い段階では福島の子供たちを外に出すべきだとか、
いろんな話が僕のところにもきていました。
小さな子どもには選択権がないということも事実かもしれません。
だけど、いろんな繋がりや縁、理由があって、
そこに人々の営みが存在しています。
それを善悪として切り分けることが、とても難しいと思っています。
福島でいろんな想いを抱えて暮らしている人がいるのは確かです。
それぞれにいろんな覚悟を持って暮らしているのだと思います。
いい悪いではなくて、福島に行って、
人々と普通に食事をしたりお酒を飲んだりすることが
不謹慎だと思わないでほしいけど、楽しさを感じています。
単純ではない、命の複雑な美しい輝きを感じることができます。
ところで最近イスラエルとイランの間で
Facebookを使って民衆レベルでのやりとりがあったそうですね。
それは、歴史的にも騒動の多かった二国間ではあるのだけれども、
「貴方の国に私たちは、誰も爆弾を落としたいとは思っていないのです」とか、
「仲良くしたいのです」というネット上でのやりとりだったそうです。
僕はこれをすごい希望だと思っていて、世界中に営みがあって、
その営みの基本は、父と母の間で生まれる子どもという関係があって、
それが家族としてうまくいくかどうかは、人によって違うけれども、
基本的には、その親子を中心とした人間関係の中で、
誰も戦争をしたいなどとは言わないし、
みんな戦争がなくなればいいと思っています。
でも歴史的には、権力やいろんな主義主張が前に出て、
民衆の営みを飛び越えて悲劇が起こってきたのでしょう。
ジャスミン革命(ネット上での民衆の声の集結?)もそうだと思いますが、
人々の営みを大切にしていこう、
営みが全ての基本として存在しているという、その想いが、
今までの世界よりも見えるようになってきています。
もちろん、悪意も見えるようになってきているとも思うだろうけれども、
そこはほどほどにして、その営みを大切に思うならば、
僕たちは、未来を変えていくことができるのではないかと思うわけです。