小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

みっつのマルにはワケがある

2012.02.24 00:24

food kurkkuの「food」は、ロゴデザイン上には「o」が3つ、
つまり「foood」という風に表記しています。

「みっつのマルにはワケがある」などと言って、
3つのこだわりや、3つの関係性などをアピールしたりしているのです。
「Organic」「Opportunity」「Original」など、
英語の意味の頭文字をとっていることから始まりました。

「Original」に触れる「Opportunity」(機会)を増やすことによって、
「Organic」を取り戻す、というような意味合いです。
それとは別に、魅力は「美味しさ」「安心・安全」、
そして「コストパフォーマンス」です。

そのことを徹底的に調べるために、
総勢20人を越えるap bankやkurkkuのスタッフが
昨年の秋ぐらいから、それこそ融資やap bank fesや
エコレゾウェブやkurkku online(ECサイト)などをやっている
スタッフが集結して、でも彼ら彼女たちは、
フェスなどを通じて、食に関する意識には
既に高い人達だったことを踏まえ、
猛然と各地方とのやりとりをして食材を集め、
試食を重ねていったのでした。

その延べ時間たるや、すごいもので、
とにかく実感を持って、自分たちの友達や家族に勧められるもの
ということを念頭において、物がいいから高くてもしょうがない
というだけで終わることはもちろんなく、
(もちろん一部高くても、この商品は一度は試して(食して)欲しい
というようなものも選んではいます)、
正直安売り競争という意味でトップをとろう、という店ではないけれど、
なぜみんなでそれを進めているのかということが、
みんなから信頼してもらえるお店を目指しています。

これは今後のkurkkuの考え方の大きな柱でもあります。



少し遡って話します

2012.02.23 02:08

そもそもfood kurkkuがなんでできたかを話すと、
少し話を遡らなければならないかな。

そもそも平たく言うと、「ap bank」はお金の使い方で
サステナブルな未来をイメージするみたいなことがあるわけですが、
その消費意識を変えていくために取り組んでいる、
いろんな方々に融資するということをやっていたわけで、
その後、その実践の場であり、自分たちが責任を負っていく
モデルケースをつくろうということになって、できたのが「kurkku」なのです。
(前にも言いましたが、kurkkuの資金の出所は、ap bankではありません)

kurkkuで何をやるかと考えた時に、
僕の中で音楽の次に実感として伝わるのは、
というか、そもそもそれがないと生きていけないという前提としては、
より強くもあるのが「食」なわけで、僕らはまず最初に、
食の大きな循環の中の消費部分にできるだけわかりやすく、
だけど、比較的立ち上げやすいものとして、
kurkkku kitchenというレストランから始めていったわけです。

その時から僕の頭の中には、いま僕らが提唱している
Food Relation Network(フードリレーションネットワーク)
という構想がありました。
その後、生産にいよいよ参加していくことになる
農業法人「耕す」ができました。
そして、今回の「food kurkku(フードクルック)」という
スーパーマーケット的な存在ができる必然が生まれたのです。

これで循環の輪が段々と密度が濃くなっていくというか、
そこで働く人や、消費してくれるお客さんも含めて、
いのち・食の循環が、少しずつ感じられるように
なっていくんだと思っているのです。

続きはまた明日。




ようやく発表できます

2012.02.21 23:53

kurkkuは、今度「food kurkku(フードクルック)」
というものを立ち上げることになりました。

そもそもap bank / kurkkuでは、
Food Relation Network(フードリレーションネットワーク)
という活動をやっていて、食の連鎖、つまり、いのちの連鎖が
もっと見える社会を目指そうという思いで、
いろんな働きかけをやっているわけです。
そのリレーションの中の直接食材を買える場所、
つまりスーパーマーケットにあたるようなものを
立ち上げることになりました。

それが「food kurkku」というわけです。
記念すべき1号店は、東京の神宮前にて
ナチュラルローソンとのコラボレーション、
ジョイントというかたちでオープンします。

日にちを言うのを忘れていましたが、
グランドオープンは2月27日(月)午前7時~です。
「ナチュラルローソン&フードクルック」
というかたちでオープンします。

そしてもうひとつ、
kurkkuの飲食店としては5番目になるのですが、
「kurkku cave(クルックカーヴ)」というお店が
スーパーの地下に入ります。
目玉は、最近のap bank fesやイベントなどで、
kurkkuを注目してくれている人達は知っていると思うけど、
例のハンバーガーが、昼夜と食べられます。

更に詳しい人は、お気づきかと思いますが、
kurkku kitchenの初代シェフの諸橋新之助が
kurkku kitchenを離れて(離れて既に2年程経つのですが)、
放浪と試行錯誤の上、たどり着いたのが、
この「kurkku cave」ということになります。

僕としては、そもそもkurkkuをつくるときに、
わかりやすく美味しい野菜とお肉が食べられる店がいいと思っていて、
(どの程度健康的に愛情を持って育てられた
素材なのかが、一発でわかるじゃないですか)
このkurkku caveは、更にそれを追求した、
しいて言えば、赤ワインにより合う店になればいいな。
そして、この店は本当に生活感に密着した
店になったらいいな、と思っているのです。

つまり、こだわったスーパーやコンビニがあって、
買い物に行ったついでに、ちょっと食事をして帰るとか、
食事をした後に、必要なものをちょっと買い足して帰るとかいう、
日常使いの店ですかね。

上のスーパーとの連動感もそうですが、
おそらく笹島シェフや奥田シェフなど、
僕らのブレーンを含むFood Relation Networkの
カジュアルな交流の場所にもなるかなと思っています。
カウンター席のまわりは、ビストロやバールの
kurkkuらしい形というのを、展開していける店になるかなと思っています。




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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。