小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

新しい出会いの年

2011.12.24 00:35

この前、小出裕章さんと今年初めてお会いしてから、
4ないし5回目の面談というか、対談をしました。
その時の対談が昨日アップされました。
ぜひチェックしてみてください。

今年を振り返った時に記憶を辿ると
奥の方に大きな暗い森があって、想いを馳せても、
その森の手前で立ちすくむ自分がいるような感じがあります。
だけど、何度想いを巡らせても、
近くに小出さんのピュアそうな笑顔が見つけられる気がする。

小出さんだけではないけれど、今年は僕にとって
いろんな新しい人と出会う年でもありました。
まだエコレゾウェブの対談では登場していないけれど、
松田美由紀さんなんて、その一人でね。
来年以降、音楽での僕の役割はもちろん楽しんでやるとして、
それ以外にいろんな試みをしていくと思うのです。
それがリアルに人と出会う場づくりなのか、
デジタルの世界なのか、いろいろ考えています。
どちらもなんでしょうけど、ちなみに僕が
twitterやFacebookなんかをやったらいいと思いますか?

小出さんの対談の最後に書かれてあるので、
いまさら隠す話でもないのですが、というより
番宣もやったみたいなので、つまり、情熱大陸に出ます。
今度の日曜日(25日)です。
今年最後の回で、今年を振り返るということで、ぜひ、
と言われて考えましたけど、引き受けました。
どんな番組になるかよくわかっていませんが、もし見たければ、どうぞ。

12月31日にカウントダウンパーティーを
code kurkku in 代々木VILLAGEで行います。
大沢伸一君も、年越ししてからかもですが
駆けつけると思うし、なによりSalyuが歌ってくれます。
よくわかりませんが、ゲストもあるかもです。
個人的には楽しむのもいいけれど、東京にいながらではありますが、
被災地の人達に、想いを馳せられるような
時間になればいいなと思っています。
歌や演奏もそうですが、来てくれた皆さんが
ドリンクをおかわりしてくれたら、
その分東日本のために使われるお金に変わります。
もちろんその日の利益は、全部東日本のために使われます。

と言いながら、盛り上がるところは盛り上がりたい。
それが正しい姿勢だと... ...このように思うわけです。




年の瀬、ですね

2011.12.23 02:29

ナオト・インティライミの国立代々木競技場第一体育館の
ライブには行けなかったけれど、
頑張ったっていう話はちゃんと聞こえてきていました。

今年もあと一週間と少しとなったけれど、
例年のように少しずつプロジェクト納めが始まっています。
つまり、アーティストや各プロジェクトの
それぞれの今年最後の仕事が行われていく、というようなことです。

大体、3年前だっけ?ミスチルが紅白出ましたけれど、
あれは、異例中の異例で、僕の人生の中で言えば、
年末進行とか、大棚ざらえとか、関係ないと思っていましたから、
つまりクリエイティブは、
あくまで自分や自分たちのペースであるべきだ、以上、
という思いでいたわけです。
今がどう変わったかは、僕自身は正直あまり変わってない。
だけど、会社のレベルで言えば、いろいろで、
まぁ日本は本当に保守化が進んで久しいですもんね。

しかし、悲しいのは、毎年レコーディングスタジオが
減少していくというようなことです。
今日もどことは言わないけれど、なくなるという話を2つも聞きました。
もちろんデジタルが進んで、
いまやパソコンでも音源が作れないことは
ない時代かもしれないけれど、
でも、スタジオの作業というのは、全然別のプロセスがあるし、
人が集まって音楽に身も心も捧げるという意味では、
それはまさに聖域だったのですよ。

僕たちのスタジオは、うまくいってます。
ただ、しのぎを削るということは減ってきているかも。
スタジオでの作業っていうのは、
ある程度多くの人が関わるから、それはそれで行事なんです。
だけど、決してパブリックではなくて、インディペンデントな行事。
まったく嘘の話を集団で作っている映画制作なんかにも、
少し似ているんだね。
それが面白い。



北海道の牧場

2011.12.20 04:17

音楽関係では発表前のプロジェクトがいろいろあって、
なかなか言えないのですが、
そういえば、Salyuのシングルやアルバムの話は
もう外に出てますもんね。
来年出しますが、年末はこのアルバムの仕上げが
かなり比重を占めそうです。
Salyuとの「minima」というライブをご覧になった方は、
新曲を数曲聴かれていると思いますが、
全体的によいアルバムになりそうです。

そんななか、前から行かなければと思っていた
北海道の牧場の見学に、週末行ってきました。
いずれ一緒にやれるようなことがあれば、
詳しくお伝えしますが、なんだか素晴らしい牧場でした。
とは言っても、実際の牧場は雪一面で、
見れたのは牛舎の中なんですけど。
そこは、3人の女性で運営している牧場なのです。

そういえば、僕らが着いた時、
牛舎の中ではアクシデントが起こったばかりでした。
見ると、前のめりになってしまった一頭の牛が、
立てずに脇の通路にはみ出ていました。
足を痛めてしまったようで、
みんな立ち上がれないのではないかと思っていましたが、
大雑把に言うと、僕が近くに行って、
しばらくしたら、いくつかのことが起こって
結局牛は立ち上がり、元の場所に戻った、
という魔法のようなことが起こりました。
まぁそれはちょっと誇張して言っているんですけれど、
でも、それはともかく、
村上春樹さんのイルカホテルじゃないけれど、
いろんな感じで北海道の乳牛と3人の女性との、
ややスピリチュアルな関係が垣間見れた、という一日でした。



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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。