小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

初ライブ

2009.11.07 17:37

昨夜は東京ミッドタウンのBillboard LiveTOKYOで
Bradberry Orchestra(以下B.B.O.)の初ライブとなるイベントをやりました。
なんとこの場所では、初のオールナイトイベント。

東京ガールズコレクションでも披露した
「Lucky」という1曲のみのパフォーマンスでした。
いわずともものすごく気持ちのいいステージだったのですが、
本当はもう1、2曲追加したかったので、
期待して集まってくれた人には、本当にごめんなさい。

演奏後にも言いましたが、
B.B.O.にとっては、大沢伸一君を含めた歴史的初ライブだったので
僕は、私は、確かに観たという人は、
後々まで語りぐさにしてやってください。

ところで、B.B.O.の経緯を話したことってあったっけ?
ある朝起きたらアルバムの構想が浮かんでいて、
そのアルバムを作るために大沢君がいるといいなと思って
早速スタッフに(大沢君の)連絡先を調べてもらって
電話したのが始まりなんです。
大沢君も感覚的にOKだったみたいで「やりますよ」と即答してくれて。
メンバーは流動的ということなんだけれど、でもやっぱりSalyuはすごいね。
エリイももっと面白い存在になっていきそうだし。
いろいろと楽しみです。

まだ明かせない構想もあるのですが、
来年はまとまった形で、格好いいものをお届けしたいと思っています。
にしても早く曲作れってか。


ちなみに最近のミスチルの現場は、充実しまくっているリハーサルの日々。
もうすごいです。
今日と明日は、リハーサルはお休み。
からだも休めないとね。



kobayashi_1107_a.jpg
久しぶりに深夜に演奏しました




kurkku 3の蕎麦粉

2009.11.07 02:15

昨日の夜、kurkku 3のメニュー試食会が
mother kurkkuでありました。
知らない人のために言っておきますと、
kurkku 3は表参道ヒルズの路面に11月19日にオープンする
kurkkuの新しいお店です。

この店で出るのは、なんと蕎麦。
蕎麦屋じゃないんだけどね。
ランチ中心にはなるんだけど、
とにかく蕎麦を出したかったのです。with野菜ベジタブルで。
つけ蕎麦みたいな感じのものもあってね。

何ヶ月も前からkurkku kitchenのシェフが、
フレンチや中華の技を織り交ぜながら
つけだれを開発してきました。
これが蕎麦の概念を変える美味しさでね。
日本蕎麦のつゆって、シンプルに甘辛いだけだと思いませんか?
僕らのつゆの旨味は、魚のグルタミン酸だけでなく
牛肉から摂るイノシン酸、つまり余韻が長い。
苦みや渋みや辛みやヒリ辛みなど、かなりの味覚の多面性を刺激するんです。
まぁこれは本当に楽しみにしていただきたいです。

で、僕が言いたいのは、肝心の麺のこと。
僕は蕎麦好きなので、ヘルシーということも考えて
これはやっぱり蕎麦粉100%なんだろうと思っていました。
いわゆる十割蕎麦です。
僕が好きな蕎麦屋は圧倒的にこれが多い。
さらっと少なめに盛ってあって、せいろ1枚1,000円とかするようなやつ。
ちょっと気取った蕎麦屋風に見えるやつですけどね。
食べると凛とした気持ちになって、「あーうまい!」みたいな。
僕はこの感じをkurkku 3に導入したかったのですよ。

ところが一方でkurkku 3で出す蕎麦は、
つけだれも含めて「がっつり」インパクトのあるものにしたかったのです。
若い人たちも食べて、やっぱりボリューム感もある新感覚の蕎麦。
そう思って昨日試食会に望んだところ、アッ!と気づくことがあったわけ。。

多めの量で盛りつけると、そこに蕎麦粉100%の死角があったのです。
5分、10分と時間が経過するたびに、どんどん固くなっていってしまうのです。
つなぎを使っていないからなんだよね。
サラッと盛り1,000円の蕎麦というのは、
やっぱりそれなりの理由があって、少量で気取って見えたりしてたんだね。
僕は数十秒考えました。

そして出した答えは......
この店は「がっつり」でいこう、と。

ある程度のボリューム感を、つけだれを使って
野菜と一緒に食べてもらおうと思ったわけです。
なので、当面よっぽどいいアイデアが生まれるまでは、
小麦粉二割程度入れる二八蕎麦を目指すことにしました。
そのぶんノドごしやつるつる感など、
あらたにできることを膨らましてみようと思っています。

皆さん、本当に一度この蕎麦を食べに来てください。
野菜もたっぷり摂れますよ。


kobayashi_1106_b.jpg
試食会の模様です


kobayashi_1106_a.jpg
熱弁中。味のチェックは厳しいですよ




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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。