第2回 ミュージシャンを他の職業に例えるなら?
- ――
- 櫻井くんがlego big morlと同じくらいの年齢のときは、どんなことを考えてましたか?
- 櫻井
- そんなの、やらしいことばっかりに決まってますよ(笑)。それと、音楽のことも真面目に、いい作品を作ることはずっと考えてましたけど。でもライブのことは全然考えてなかった、ライブが嫌いだったんで。
- カナタ
- そうなんですか?
- 櫻井
- 苦手意識がすごいあって。あと、ファンの人たちにキャアキャア言われると、引いてしまうというか(笑)。引かない?
- タナカ
- たまに過剰な人もいますね(笑)。
- 櫻井
- 本当にビジュアルがかっこいいからね。第一印象は、『TO-Y』(トーイ。1985~1987年まで週刊少年サンデーに連載されていた、ロックバンドをテーマにした漫画)の実写版みたいな。
- タナカ
- トーイ?
- ヤマモト
- わからへん。
- カナタ
- だいぶ古い漫画......(笑)。
- 櫻井
- うわ、どうしよう(笑)。ライブは好き?
- タナカ
- 僕らはライブのほうが好きです。
- カナタ
- 僕は歌うのが怖い。ちゃんと歌えるかなって。まだ余裕がないので、まわりの音が把握できてないときがいっぱいあるんで、それをどうにかしたいっていう課題もあるんですけど。
- 櫻井
- 僕も、バンドの演奏をちゃんと聴きながら歌えるようになったのって、ホント、ここ何年かで。それまでは歌うことに必死だし、あと、お客さんの反応を見ていて、音よりそっちに意識が行くから。
- カナタ
- そこで、たとえば腕組みして身動きもしないような人がいたら、どう対処します?
- 櫻井
- 燃える(笑)。
- カナタ
- そうか、そういうところが僕には足りないな。
- タナカ
- ライブが好きじゃなかった時期もそうだったんですか?
- 櫻井
- それはね、ライブの好き嫌いじゃなく、ただひたすらケンカ腰なだけ(笑)。負けず嫌いというか。
- ――
- ステージでのパフォーマンスを研究したりしてました?
- 櫻井
- 僕は中2からずっとそんなことやってました。部屋を真っ暗にして、勉強用のスタンドを(スポットライトのように)自分に当てて、本棚のガラスを鏡みたいにして。
- カナタ
- おお、すごい!
- 櫻井
- すごくない。気持ち悪いよ。これでミュージシャンになれたからよかったようなものの(笑)。
- カナタ
- 僕はやったことないですね。リハーサルスタジオで壁一面が鏡張りだったりしますけど、恥ずかしいんですよね、自分の動き方って。
- ――
- いよいよ"ap bank fes'10"が近づいてきましたが。
- タナカ
- 野外イベントは何回か出たことがあるんですけど、"ap bank fes'10"はまた雰囲気が違うので。
- ヤマモト
- でも去年と一昨年、観に行ってるので、会場の空気はなんとなくわかるかな、と。
- 櫻井
- ほのぼのしてるからね。
- ――
- 意気込みはいかがでしょうか?
- カナタ
- まあ、......紳士的に、というか(笑)。
- 櫻井
- トップバッターだよ。プレッシャーかけるけど(笑)。最初、2曲だけ、小林さんとギターの小倉さんと僕と3人でやるけど、そのあとlego big morlに受け渡すので、お客さんを盛り上げてもらって、それ如何でフェス全体が決まってくるから(笑)。
- ヤマモト
- えらいこっちゃ(笑)。
- カナタ
- どうしたらええんや(笑)。
- タナカ
- まあ、でも、やらせてもらうからには、(お客さんを)持っていく感じで。
- カナタ
- いつもどおりアゲアゲで、くにゃくにゃダンスしときます(笑)。
- ――
- そろそろ対談も終わりですが、ほかに何か櫻井さんに聞いておきたいことは?
- 櫻井
- いや、それはもう、今度飲みに行ったときに(笑)。小林さんとはどんな話するの? 難しいこと話す?
- タナカ
- いや、小林さんが僕らの精神年齢に合わせてくれて、女の子の話とか(笑)。
- カナタ
- ちょいちょい関西弁を挟みながら(笑)。
- タナカ
- そう、言語まで合わせてくれて。
- 櫻井
- この前、小林さんと"ミュージシャンを、ミュージシャン以外の職業でたとえると何か?"っていう話をしてたんですよ。小林さんは、科学者だって言ったの。音楽で実験を繰り返して、何かを解き明かしていくから。でも僕は真逆で、サービス業だと。お客さんに喜んでもらえてなんぼです、っていう。それを(みんなは)どう思うかなと思って。難しいから今すぐ答えなくてもいいけど。
- タナカ
- どっちも、なるほどと思っちゃいましたね。
- カナタ
- 僕は小林さんの"解き明かしていく"ほうに近いかもしれないです。僕は曲を作るのが大好きで、なんでこの終わり方がこんなに微妙なんやろっていう、そのポイントを探りながらどっぷり浸かっていくタイプなので。でも作品ができたら、CDでもライブでもお客さんに喜んでもらってなんぼ、サービス業って気もするし。
- 櫻井
- 哲学者、っていうのもあり得るしね。これは難しい質問なんです。パッと答えが出てくるようなものではなくて。1週間ぐらい経って、あ、そうだ、とか。
- ――
- その答えによって、その人のスタンスがわかりますね。
- 櫻井
- そうそう。だから"ap bank fes'10"のときまでに、考えておいてください(笑)。


















