第4回 たちまち黒い沼。2010年3月11日(木)
解体された万年筆修理は、
続いて、肝心のインク汚れを落とす作業へ移ります。
「塊になったインクは、普通に水洗いしただけでは落ちないので超音波洗浄します」
よく眼鏡屋さんの軒先に設置してあるアレ、といったらわかるでしょう。
超音波洗浄の機械にパーツをひたしてしばらくすると、
透明だった水がみるみる黒い沼のようになっていきます。
機械から取り出したパーツに、液体洗剤のようなものを吹きかける川窪さん。
「最近は、汚れを落とすのにもいいものが出てきたんだな〜」
と、つぶやきながらニヤリ。
深夜のネットショッピングで家庭用クレンザー製品が紹介されているときも
「これ、使えるかも!」
と普段から修理や製作に活かせるかどうかをチェックするのがくせになっているとか。
会話しながらも、川窪さんの手元は休みません。
万年筆の要ともいえる、ペン芯のインクを導く細い隙間には
カッターの刃や、手術用のメスを差し込んで
詰まったインクをかき出します。

「万年筆を作るための専用道具なんてないですからね。もちろん、修理にもね。
なんでも使えそうなものを探しては試してといった感じです」
工房に転がる、製作段階の万年筆や使い残した素材を見ても、
川窪さんがあれこれと試行錯誤しながら、工夫しながら
ものづくりに取り組んでいる姿勢が感じられます。
すみずみまでインク汚れが残っていないかを確かめながら、
川窪さんが汚れ落としのワンポイントを教えてくれました。
「見落としがちなのは、実はキャップの内側。
ペン先からにじんだインクが固まると、
キャップとペンの間に隙間ができてペン先も乾きやすくなるんです。
それに締めるたびペン先を傷めたりしますから、ぜひチェックしてほしいですね」
第5回へつづく〜。










































