-
お米プロジェクト 第1回「日本で最も早くお米がとれる島で、お米を作る」
-
お米プロジェクト 第2回「お米づくりの、はじまり」
-
お米プロジェクト 第3回「やっぱり、日本の農業ってすごい!」
-
お米プロジェクト 第4回「苗が五割だ!」
-
お米プロジェクト 第5回「石垣でつくったお米が『石垣島米』になるまで」
お米プロジェクト 第4回「苗が五割だ!」
問題は起きつつも、苗は育つ育つ! ap bank お米プロジェクトレポート、第4回!
ジャンボタニシに食べられた跡。若い苗のうちに食べられたので、背が低くなったり、なくなったりしています。
◆苗が勝負なんです
「トヨマスさん、『苗五割』っていう言葉を知ってるかい?」
田植えから2か月たったある日、大濱さんが言いました。
お米作りで大切なのは、まず苗作り。「苗が立派にできれば、それでもう半分は、お米ができたようなもんだ」という意味の、昔からの言い回しです。
私たちの田んぼに植えた苗は、
自家栽培されたとても丈夫な苗でした。
丈夫に育てられた苗は、育ってからも病気になりにくく、
その結果、農薬を何度も散布しなくてもよくなるわけです。
「えっ? 苗って、農家が自分で育てるんじゃないの?」
そう思う人もいるかもしれませんが、
多くの場合、農家は苗を購入します。
「育苗センター」という所でたくさん作られていて、
農家はそこから必要な量の苗を買います。
そうすれば、苗を作る手間が省けます。
苗を自家で作るのは手間がかかりますが、
市販の苗よりも丈夫な苗を作ることだってできます。
苗に手間をかけた分、
その後の作業や経費は楽になるわけです。
まさに「苗五割」です。
◆それでも問題は起きる
自家栽培の丈夫な苗とはいえ、
害虫のジャンボタニシが発生したり、
雑草がたくさん生えてきたり、
問題はいろいろ起きました。
ジャンボタニシの卵。茎がこれくらい太くなると、もうタニシに食べられなくなるのですが......。
ジャンボタニシは若苗の時期に大量発生すると壊滅的な被害になります。
私たちはギリギリまで待って、少しだけ農薬を使うことにしました。通常6回使用する農薬を、1回だけ。
それでもジャンボタニシの被害は続いたし、除草剤を使っていないので雑草も生え続けます。
大濱さんや有志のスタッフで、
こまめに見回り、害虫を駆除し、
雑草を抜く作業を続けました。
さらに、イモチ病。
収穫が極端に減ったり、
ひどいと稲自体が枯死したりする、
稲作では最も怖い病気です。
4月に入ってからの日照不足と低温、
そして例年より多い雨のためか、周囲の水田には
イモチ病の症状がいたるところに出ていました。
イモチ病は菌で広がる病気で、
一か所で症状が出ると、
またたく間に広がっていきます。
地元の普及所(地域の営農指導をする組織)でも、
イモチ病による地域全体の収穫量が減ることを懸念して、
予防のための農薬散布を盛んに呼びかけていました。
◆苗もですけど、タイミングも勝負なんです
しばらくして、私たちの田んぼにも、
イモチ病の症状の出た葉を見つけました。
ほんの1株です。
大濱:「うーん。やはり明日だな」
豊増:「明日ですか......」
農薬の散布時期のことです。
隣接する水田でこれだけ症状が進行していると、
やはりイモチ病に効果のある農薬を散布しなければ、
収穫は期待できません。
ただし、むやみに散布するのではなく、
タイミングをしっかり見極めて散布すれば、
少ない量の薬で、しっかりと病気を防げます。
そのタイミングを見はからっていたのです。
それにしても不思議です。
隣接する田んぼでは、症状が広範囲に出ているのに、
ap bankのお米を作っている田んぼでは、
ほとんど症状が出ていませんでした。
「だから、苗五割、って言っただろ?」
大濱さんは短く言います。
◆石垣島のお米でコンビニのおにぎりを作る?
そんなわけで、当初めざしていた、
「無農薬」での栽培は断念することにはなりました。
とはいえ、ジャンボタニシの駆除と、
イモチ病予防に使用した以外には、
全く農薬を使用せずに、無事に収穫を迎えられそうです。
ひと安心して東京に戻ってくると、
新たな話が待っていました。
「fesに来れない人にも、
石垣島のお米を食べてもらえる方法はないかな?」
普段、忙しくしている都会の暮らし。
朝ご飯もろくに食べずに、学校や会社に出かけ、
コンビニや外食店で食事を済ませる......。
そんな生活ですから、
知らず知らずと輸入食材に頼ってしまいます。
「だったら、コンビニで『おにぎり』として販売するのはどうだろう?」
誰かがそう言いました。
忙しい暮らしの中で、
頼りにしているコンビニエンス・ストア。
そのお店から「食べること」「食べるものを作ること」について、
思いを共有していただけるきっかけができるかもしれません。
石垣島のお米をつかった、「おにぎり」開発がはじまりました。
この「おにぎり」についてのお話は、
「編集部ダイアリー」でご紹介いたします。
作業の合間に近くの丘にのぼって、休憩。美しい海を眺めると、多少の疲れも吹き飛びます。
(第5回に続く)












