第4回「より風通しのいいステージを目指して」
Mr.Children の「終末のコンフィデンスソングス」ツアーでは、ベースとなるステージライトすべてに、電力を画期的に抑えるLEDライトを使っています。 武道館2DAYSの初日5月14日、リハーサルにて、小林武史と今回の照明チーフの大竹數彦さんが、トライしたからこそわかる、良かったこと、改善することなどを話します。
編集部 今回のツアーで、照明にLEDを導入してみてどうでした? 案外よかったとか、やっぱり限界はあるとか、感想をお聞かせください。
大竹 今回やってみて、ちょっと厳しいなっていうところも正直あるわけですよね。LEDライトは光の届き方がまだまだ弱いので、オーディエンスを照らす部分に関しては通常のライトを補足で入れてたりもしますし。ただ、まあ、ap bank fesとかね。夏の野外のステージって、本当に暑いんですよ。照明が点いてなくても暑いところにまた熱いライトをもってくるっていうのは、ちょっと自殺行為なところもあるなと。だから、大いに活用するべきかなと僕は思ったりしますね。
小林 そうですね。
大竹 暑い暑いって小林さんがしきりにおっしゃるので、ステージに上がったら暑いんだろうなって。
小林 ap bank fesをやってるのに、こんな昼間からビカビカつけるとか、どうにかなんないのかって言ったことあったもん。「はあー」って言われたけど(笑)
大竹 「はあー」なんて言ってないですけど(笑)。でも、実際に上がったら、「ああ、こりゃ死ぬな」と思いました。
編集部 実際にステージに立たれて、LEDライトのステージっていうのはいかがでしたか?
小林 いや、やっぱり暑くないですよ、全然。非常に快適な。
編集部 それまでのステージとやりやすさだったり、気分のノリだったり変わったことはありますか?

小林 それは僕なんかよりも他のバンドのメンバーの方がわかるんじゃないかな。確かに、前回と比べてクリアな感じがする。それは熱のせいもあるのかもしれないけど。クリアでひいてはクリーンな感じ、ちょっとエコっぽい言い方で申し訳ないんだけど、本当にそんな感じがする。何か澄んだ感じがする。

大竹 それはありますよね。前から見ていてもそれは感じますね。光の質もあるけど、小林さんのコンセプトとして、何年も前から「風通しのいいステージ」っていうのをおっしゃっていて、それが何か今回はより洗練されて表現できているような気がしますね。やっとコン セプトに照明も追いついたかなと。あとは本当に小林さんたちが鍵盤とかを弾いているときの光のあたり具合が印象としてどうか、本来の照明としての役割。ちゃんと指先が見えているのか。色がかかったときでもちゃんと自然な見え方になっているか。ライトに照らされているプレイヤーがやりにくくないか。そういうところだけですね。
編集部 照明、奥が深いですね。
大竹 そうですね、奥が深いですね。小林さんは常に新しいものにアンテナを張ってらっしゃる方なので、僕は毎回課題をもらってチャレンジさせていただいていてます。毎回勉強しながらやっているので、照明は奥が深いなっていうのは、僕もやりながら感じることです。プロなのにそんなことを言っちゃいけないのかもしれないけれど、今回もLEDライトを初めて使うということで、またさらに奥が深いですねと。
小林 そうだね。でも、まあすごくいい転換期だったし、LEDライトを一度使ってみたから、わかったことがいろいろあるよね。さっき言っていたようにLEDだと遠くまで届かないとか、そういう一長一短はあるだろうけど、トライしてみて、非常にいい導入だったと感じています。今回は「持続性のあるエンタテインメント」をめざして、きちんとしたいい一歩を踏み出せたんじゃないかな。
(撮影/薮田修身 取材・文/山口浩司)
1963年生まれ。23歳より舞台照明に従事、24歳でLighting Designerとしてデビュー。以降、コンサートを中心に22年間にわたり、数々のアーティスト、プロデューサーと仕事をする。小林 武史、Mr.Childrenとは1994年の夏から仕事を始め、15年の付き合いとなる。












