小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

今日も代々木VILLAGEガイド

2011.11.15 01:10

昨日までは、食に絡んだお店を紹介しましたが、
今日は他のジャンルです。

前々からいろんなところで噂になっていて、
洋書の古書のセレクトや、素敵なアンティーク家具などで
着実にファンを付けていった、
恵比寿にある「limArt」というお店があります。

そこの中心人物、中島さんや田中さんと
何度かいろんな話をさせてもらいながら、
この代々木にアートやデザインの側面から
クリエイティブを発揮していこうよということになり、
2つのブランドが立ち上がることになりました。

その1つが「POST」。
これは恵比寿でやっている「limArt」が、
古書を中心にやっているのに対して、
「POST」は新書を扱うのですが、
なんと2ヶ月に1回、展示を全部変えてしまう。
それは、ヨーロッパの優れたアートやデザインの出版社の刊行物を、
2ヶ月に1度出版社ごと入れ替えていくということで、
紹介していくという試みです。
アート書籍自体を、ギャラリーの中で展開していく
というような感覚だと思います。

もう1つが「blind gllery」。
ここは新しい価値や視点というものを模索し、
発見しようとするアーティストを主に扱っていったり、
コラボレートしていくことになると思います。
言ってみれば、視覚に頼り切っている魅力ではなく、
そのコンセプトや態度や姿勢がどれだけ面白いかとか、
意味がいまの時代に価値があるかとか、
ま、アートとしては当たり前のことを探っていくことを
目指したギャラリーと言えるかもしれません。
ここは面白くなっていく予感がしてます。

そして、アパレルを中心としたライフスタイルショップとして
「one mile wear by URBAN RESEARCH」があります。
ご存知の方も多いと思いますが、ap bankやkurkkuで
ずっとクリエイトし続けている、プレオーガニックコットンという
プロジェクトがあり、そのコットンをいち早く商品化してくれたのが、
アーバンリサーチがやった「one mile wear」という
セレクションだったんですね。で、そのセレクションを今度はというか、
代々木VILLAGEに僕らがお誘いしたら、
ブランドとして一人歩きさせようとアーバンさんが考えたのが、
このお店なんです。彼らは自分にあったone mile作り、
という言い方をしていますが、人とのつながりや距離感を
大切にしていけるような、カジュアルでフレンドリーな商品が
アパレルのみならず、雑貨なども含めて展開して行くことになると思います。

ちなみにプレオーガニックコットンは、
今年のグッドデザイン賞のサステナブル賞をいただいたのです。
このTシャツが、とか、この靴下が、というわけではないですが、
全体のプロジェクトのあり方に価値があるということ、
それが格好良くグッドデザインだ、という解釈でいます。
ありがたいと思っていますが、これをくれた先が経済産業省ということで、
賞状もあるのですが、そこには枝野さんの名前が入っており、
やや複雑な気持ちでした。いずれこれは写真付きでお見せしたいなと思います。

脱線しましたが、次の紹介をします。

次は「Love Peace Travel by H.I.S」。
HISは、実際僕が海外に行く時に、本当によくお世話になっていて、
いろいろスケジュールの変更などにも
対応してもらったりしていたのですが、
今回代々木VILLAGEをつくる時に、
実際にここではないどこかと繋がっているということを、
それを仕事としてやっているコンシェルジュのようなものが
あるといいなと、ある日突然思い立ちまして、
HISの方々に相談したら、それは面白いということになり、
実現しました。その時のイメージは、
ライフ&ネイチャーコンシェルジュというようなものだったんですけどね。
代々木VILLAGEの中に、別世界に通じるドアが
ついているというような感じですか。
彼らとは、もちろん、いろんな魅力のある旅というのも、
一緒に考えていきたいと思っています。
いずれボランティアとか、農業体験とかを組み入れつつ、
楽しみもあるとか、人との出会いに繋がっていくとか、
そういうプログラムも提案できたらいいなと思っています。

「そら植物園」。
僕はこのVILLAGEの中では、
植物の比重は本当に大きいと思っているし、
それは面積だけではなくて、アグレッシブな主張や
メッセージを送り込む重要な役割と思っていますが、
この代々木VILLAGEの全体の植物担当と言いますか、
重要な一人が西畠清順君でありまして、
彼がその植物の使い手なんですね。
彼はもう採算度外視したといってもいいような頑張りで、
いままさに本オープンに向けて、作業を続けてくれていますが、
その西畠君が今後の活動を広げるために、
コンサルティングデスクというものを置く場所が
この「そら植物園」というコンテナになります。
当分は小さな植物の販売とかはしないと聞いていますが、
企業やお店や自宅に植栽などを考えている方は、
要注目ということなんですかね。
何か持ち帰りやお届けでも買えるようなものが
あるといいと思ってますが、それはまだ今後の話ですか。
いずれにしても、そのデスクから、VILLAGEに広がる
植物の動向を彼は時々見渡しながら、
考えることになるのだと思います。

ここまでが、11月18日オープンに間に合ったプロジェクト。

明日は、唯一間に合いませんでしたが、「body kurkku」を紹介させてください。





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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。