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エコレゾ   トーク


エコレゾ   トーク 矢沢永吉

第7回 「今月で60歳。60、悪くないな」

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実は、矢沢さんは9月で60歳に。「昔は、嫌いなものは認めないという感じだったけど、今は違う。全部OKですよ。全部アリじゃない?と思いますね」だそう。「60、悪くないな」という発言もかっこいい、第7回目です。

小林
矢沢さんのアレンジは、基本的に引き算が活きていると思うんです。ゴチャゴチャするのは嫌いですよね、ボスは。もともと日本は引き算の文化だと思うんだけれど、アレンジについてはなかなか引き算ができなくて、ガーッとクラッシュするようにグチャッとなっちゃう。

若い子の音楽は、歪ませてグチャーッとひとつになるのが、今の主流だけど。矢沢さんはもっと、スタイリッシュで、ベースの音はエッジが立っていなくちゃいけない、というのがすごくある。それも矢沢さんの、独特の感じなんですよ。ミュージシャン同士の会話だから、ちょっとわかりにくいかもしれないけれ ど。ボーカルの周りに、あんまり来ないで、来るなら来るで、はっきりした感じで来て欲しいという感じがします。
矢沢
そうかもしれないですね。無意識なんだろうと思うけれど。
小林
プレスリーや、ビートルズの初期もそうだけれど、ギターのリフって、はっきりしていたじゃないですか。ここはギターを聴かせるところ、というのがあって。
矢沢
それが、好きなんでしょうね。
でも、最近思うんですよ。昔の僕は「これが好き。だから、嫌いなものは認めない。だって、良くないもん」という感じだったけれど、今は違う。「僕はこれが好きなんだけれど、グァーッと絡ませている。いいね~、それもいいんじゃない」というのが。全部OKですよ。全部アリじゃない? と思いますね。何でかな? なんだかね、いい感じですよ。今月、60歳になるんですけれど、「60、悪くないな」と思い始めています。
小林
それは、誰だって矢沢さんを見たら「60歳も悪くないな」と思いますよ(笑)。
矢沢
だから、すごく今、音楽が楽しいですね。俺、こんな感じで現役でやれてるんだな、と。僕も40歳くらいまでは、まだ「好きなものはこう、嫌いなものは嫌い」っていうのがありましたよ。それがまた、矢沢の個性でも、我の強さもあったんだろうけれど。いや、いいですね。変われてよかった、と思います。
小林
あえていろいろ言わないけれど、僕らは知的に見せる音楽の台頭という中で育ってきて、日本にもまだ先があると思ってきた。アジアの他の国々にもアドバンテージを持てて、優位性を感じて生きていたと思うんです。どこの国でも、人間は差別するところから成長するから、そういうこと抜きに綺麗ごとだけでは言えないけれど、今やアドバンテージもなくなってしまった。

今の若い子を見てると「何か足りないな」と、正直、思わなくはないけれど、矢沢永吉という人の良さを、真っ向から理解できる国民、というラインに立てたな、という言いかたもできると思います。

ところで僕も、ap bankで「これからは農業をやるんだ」と言っていまして。
矢沢
すごいよね。
小林
いやいや、でもね、いいと思いません?
矢沢
思いますね。
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小林
左脳的なところでくじけたような男が、鬱になって自殺するよりは、もっと単純でいいから、男として食い扶持を稼ぐような方向があるんじゃないか。そう思うなら、社会がそういう流れにいかないと。真っ正直になれないで、最後のところで、上げ足だけを取っている国民、という体制は変わらないと思うんです。
矢沢
本当にそうなんだよね。そういうことが、今、問われてますよね。
小林
問われていますよ。正直にならなくてはいけない。
矢沢
今の話と一緒で、「芸能人の麻薬がどうのこうの」っていうのを、テレビも新聞もずっとやっているんだもんね。馬鹿みたい。でも、こういう会話をap bank fesの後に小林さんとやるとは思わなかったですね。
小林
したくてしょうがなかったんですよ。
矢沢
今回の話を聞いて、僕「やろうやろう!」「いいね! ぜひ対談したいね!」って言ったんですよ。
小林
僕は、何年も前から矢沢さんに出て欲しかったんですよ。未来のことを考えたら、今の矢沢さんのスタンスが、すごく大切だと思っていたので。
矢沢
いや~、こちらこそ、嬉しかったです。
(撮影/今津聡子 構成/エコレゾ ウェブ編集部)
ただいま絶賛れんさい中。