eco-reso talk
- 【eco-reso talk 1】
- 【eco-reso talk 1】その6 どう生きたいかは、自分で考えろ!
- 【eco-reso talk 1】その5 新しい経済VS古い経済
- 【eco-reso talk 1】その4 農業、バイキング、大きな冷蔵庫......
- 【eco-reso talk 1】その3 「お金=幸せ」ではなくなってきた!
- 【eco-reso talk 1】その2 安いものは本当に環境に悪い?
- 【eco-reso talk 1】その1 本音でエコについて語ろう!
- 【eco-reso talk 2】
- 【eco-reso talk 2】その3 作る人、売る人、買う人がつながっていく
- 【eco-reso talk 2】その2 農業は、かっこいい!
- 【eco-reso talk 2】その1 農業やってみたい人、増えてます
- 【eco-reso talk 3】
- 【eco-reso talk 3】その3 私たちの手で、みどりの未来を変えていく
- 【eco-reso talk 3】その2 森林をめぐる問題は人ごとじゃない
- 【eco-reso talk 3】その1 森の元気を取り戻すには
- 【eco-reso talk 4】
- 【eco-reso talk 4】その4 ごみのこと、「どうでもいいや!」にしない
- 【eco-reso talk 4】その3 ごみのリサイクル、その先を考える
- 【eco-reso talk 4】その2 分別したごみ、どうリサイクルされるの?
- 【eco-reso talk 4】その1 ごみ問題、おおいに語る!
- 【eco-reso talk 5】
- 【eco-reso talk 5】その4 「昔は良かった」ではない、これからの食を考える
- 【eco-reso talk 5】その3 食材をセレクトする基準はなんですか?
- 【eco-reso talk 5】その2 日本人の「食の好み」の変化と自給率
- 【eco-reso talk 5】その1 食物の輸入ができなくなると、日本はどうなるの?
【eco-reso talk 1】その4 農業、バイキング、大きな冷蔵庫......
今回は食がテーマになりました。食べ物、食べること、私たちにとって一番大切なことに、もっと意識的に、そんな話題に発展していきました。
司会:ケン・マスイ
ゲスト:テリー伊藤(演出家)、枝廣淳子(環境ジャーナリスト)、
森 摂(雑誌『オルタナ』編集長)、小林武史
◆農業はいいですよ、やっぱり
ケン 農業についていろんな話が出ましたが、小林さんはap bankのお米を作るプロジェクトで実際に石垣島まで行って田植えや収穫を体験されてみて、どんなことを感じましたか?
小林 僕、今eco-reso webというwebのを始めていて、そこで大塚愛ちゃんと、salyuの二人と稲刈の様子をレポートしました。田植えも僕はやったんですけれども。生まれて初めてだったんですけれどね。いや、今どき手植えも手で刈る人もそんなにいないんですよね。日本の農機具がまたすごいんですよ。メイドインジャパンの農機具って本当に優れていて、狭いところも器用に行くし、本当に素晴らしくて誇れる。
でも、お世話になった沖縄の農家の人は、昔ながらのやり方でやってみないと分かんないだろって感じで、手でやったんですけれども面白かったですよ。やっぱりその田んぼに入っていって、こうぬるって入ってね、足が。気持ちいいんですよ。これが自分たちが食べる食べ物になっていくんだという達成感もありますしね。
それで、一通り植えたあとを振り返ってみると、何人かでやっていると何かびしっと「やったねー」っていう感じがあるの。一人でやった分なんてしょぼしょぼなんだけど、やっぱりみんなと「よし一緒にやろうぜ」って言ってやるのっていいなと思ったんだよ。みんなでしんどいけど頑張って励ましながらやろうぜみたいな、この歳になってなんですけれどね、やったんですけど。農業はいいですよ、やっぱり。
ケン そもそもどうして田植えをしようということに?
小林 僕は男だし、「食いぶちを稼ぐ」みたいなことが本能的にあるんだろうと思うんだけど、さっぱり出来ないじゃないですか。食べ物はどうやって来るのかわからないし。僕らは本当に食べないと生きていけない生き物だから、命を頂いて生きているっていう、アジアにはそういう考え方がちゃんと根付いていますし、都会で生きている僕らもそういうのをどっかで分かっているんだけど、全部切り離されて生きていたなと思って。
でも、音楽とか、アートとかそういう表現の中で生きていると、命の循環みたいなことを思うんだよね。音楽って自然の周波数の産物を切り取って行って、コードになっていったり、リズムを刻んで人間の感情みたいなのをあらわすから、そういう自然の産物を生かして、気持ちの循環、心の循環をやらせてもらっているなという感覚は、すごくあったものですから。
テリー 今日来ているみなさんも、家で食べ物を育てるって、それこそベランダでもいいし、出来るよね。
小林 出来ると思います。
ケン 最近増えてますよね。
◆自分で食べるものを、自分で作ってみる
テリー 食べ物だったら、自分で食べる楽しみもあるしさ。それで実際に育てはじめると、毎日天気予報を気にするようになってくるんですよね。すごく自然と密着して来ますよね。僕なんかも家の庭でキュウリとかやってますから。
ケン すでにap bank fes'09のサイトで見て頂いた方も多いと思うんですが、マイトマトプロジェクトといって、スタッフ、小林さんを含め、みんな自分の家でとりあえずトマトを育ててみようという試みをやったんですね。成功した人はそれをap bankに持ってくると、失敗しちゃった方は「あ、やっぱり難しいんだな」ってことを実感するっていうような、まあちょっとしたお遊びみたいなのをやったんですけれども。
テリー 家で食べ物が出来ると人生観が変わるんですよ。「あ、俺、別に頼らなくたって生きていけるんだな」って。
小林 こないだ農業問題の核心をTVでやっていたんですよ。僕の周りにもいっぱい農業のことを教えてくれる奴はいたけど、その番組を見て「あ、これだったんかい」というのがあって。確かに難しいなと思っていたのが、農家の方が持っている土地、不動産の価値神話という問題なんですね。この中でも農家の方がいらっしゃるかもしれないしから、決して悪く言うつもりは全くないんです。でも、おじいちゃんが「お前の息子の代ではないかもしれんけど、孫の代でうちの田畑は値が上がるから待ってろ」みたいなことを言うとか、普通にあったりするんですよね。
こういう話はTVやメディアではなかなか表には出てこないだろうし、した方がいいと思うからあえてするんですけれども、あまり使われていない農地を、前の自民党は選挙の中でも票が必要だから、「減反しなさい、そうしたら補助金を」と補助金浸けにするという問題もある。だから日本の農業が自分の足で立てない循環がずっとあると言われているんですね。
まあ別の意見もあるのかもしれないですけれど。でも、それを見た時に「なるほどな」と思って、そのスパイラルから抜け出すのはなかなか難しいんだろうなと思っていたんですよ。
今、僕らが融資して一緒にやろうとしている、マイファームという会社のリーダーはまだ26歳なんですけど、彼は耕作放棄地になっている農地を使わせてくださいって許可を取っています。一般の人が、そこに主に週末に行って、ウィークエンドファーマーなるという事業です。リタイアした人も多いんだけど、本当に普通のカップルが趣味として来ることも多いんですって。そういうニーズ増えていくと、こうガチガチになっていた関係が少しでも中から暖まって変わっていくんじゃないかと思うんです。
枝廣 今そういう農業への関心は本当に広まっていて、たとえば家庭農園というか、区で区画を割って貸してくれるようなところも、なかなか抽選の倍率が高くて当たらないし、駅前のビルとか駅の屋上を農園にして貸し出したりしているのもすごい倍率だって言いますし。いろんな意味で「土とのふれあい」や、「自然のペース」、「自分の食べ物を自分で」、そういう風潮って来てますよね。
でも、これまでのガチガチの日本の農業行政をいっぺんに大きく変えるのは難しいと思うんです。ただ、こういうことを考えるときにいつも思うんですが、ベルリンの壁が倒れたのも最初はちっちゃな穴だったんですよね。きっとあちこちに小さな循環を作る人たちが増えてきている。街とそれから農村を繋いで直接農協を通さないで農作物を買ったり作ってもらったり、そういうのをどんどん広げていくことですよね。きっとね。
森 農業について補助金の問題はよく言われることで、確かに「自立した農業」は理想だとは思うんですが、ただし工業でも商業でも必ず国の補助金はあるわけですね。だから農業だけ補助金漬けはよくないというのはちょっとかわいそうな気が僕はします。むしろ農業については国のお金をちゃんと使うべきだという意見もあって。
小林 それは、そういう意見もありますよね。
森 ええ。とにかく日本の農業を活性化するというのが大事だと思います。
小林 海外の農産物にちゃんと対抗できるようにするということですよね。
森 そうですね。さらに輸出してもいいですし、日本の美味しいお米をもっと中国の人に食べてもらってもいいわけですから。
◆バイキングって、結局、最後まで食べずに残すよね
ケン よく農林水産省の前に日本の自給率アップって掲げてあるじゃないですか。あれは本気だとは思えないんですね。
テリー それは国だけじゃなくて日本人の意識もあると思う。たとえば同じ商品でも、安かったら中国産を買っていた時期があるじゃないですか。ある時期から「ちょっと怖いな」ということで、国産品に変えましたよね。最近よく言われている話ですけれど、ファミレスとかコンビニのお弁当が残ると、全部破棄しています。それは、世界の食糧難の国に送っている量と同じくらいの量なんですね。バイキングよくやるけれど、実はみんな最後まで食べないですよね。いっぱい取ってきて、最後は残しちゃう。日本人の意識の中に欲張りみたいな意識があって、そういうところを自分の中で抑えて行かないとダメなんじゃないかと思ったりもするんです。
うちの冷蔵庫は何にも入ってないんですよ。あんまり物を入れるのが好きじゃないんですよね。不安だから冷蔵庫に入れるでしょ。アリとキリギリスのアリみたいな感じで。そんなこと全くなくて、近くに行けば何でも手に入るにも関わらず、二週間分くらいのものを冷蔵庫に入れていて、気がついたら賞味期限が切れていたりする。大体、日本全体の、二割から三割くらいがそうなってると言われているんだけど。日本人のライフスタイルの中に、貧乏性というか、そういうものがあるような気がする。
枝廣 今の冷蔵庫の話はまさにおっしゃるとおりで、これは広告の戦略にうまく乗ってしまっています。「腐らせたらもったいないでしょう」「だからもっと大きな冷蔵庫にしてそこに入れておきなさい」と。結局、冷蔵庫に入れて腐らせるということが、家庭ではすごく多いんですね。それを、ある人は「普通の家庭にある冷蔵庫はみそぎの装置だ」と指摘していました。そのまま腐らせると罪悪感があるけど、冷蔵庫に入れておいてそれでも腐るんだったらしょうがないかと捨てる。
ケン そうですね。
森 日本の技術は進んでいて、省エネ化は確かに進んでいるわけです。でも、大型化がそれを相殺している、と、よく技術者の方は言っていますね。
テリー だって冷蔵庫は大きい方が格好いいじゃないですか。システムキッチンなんかも大きい冷蔵庫に合わせているんですよね。小さい冷蔵庫だとバランスが悪いとかさ、不思議ですよね。
ケン それもたぶんね、アメリカのドラマに出て来るようなでっかい白い冷蔵庫がみんなの憧れだったわけですよね。
小林 昔の話ならいざしらずよ、最近急にブームみたいになっちゃったよね。
テリー そうなんですよ。
小林 不思議。だって、車はどちらかと言えば小さい方向にどんどん行っているし、そっちの方がスマートだというので、みんなそれをチョイスしているのに。
森 たとえば液晶テレビ、42型とかね、消費電力が600Wっていうんですよ。消費電力が600Wということは、60Wの白熱灯を十個ずっとつけっぱなしにしてるという計算ですよね。これはすごい量ですよ。
小林 まあでも、冷蔵庫の話は大型の方が上手く使える人もいるんだから、すべて否定する話じゃないと思います。もちろん、テリーさんみたいにあまりものを入れない人は小さいほうが断然いいと思うけど。






















